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    熱電対


    【熱電対】
     温度測定に必要な熱電対は、異種の金属を一端で接合したもので、接点を測温接点、他端を基準接点と云い、両接点間に温度差を与えると熱起電力を生じます。この熱起電力は、温度差と一定の関係にあり、基準接点を一定に保つか、又はその部分の温度変化を自動的に補償することにより、生じた熱起電力から温度を知ることができます。 熱電対

    【熱電対素線】

     1 B,R,S熱電対 熱電対
      温度1600℃、1700℃に耐え、優れた安定性を持つ貴金属熱電対です。一般に酸化性雰囲気では耐熱性、安定性ともに優れた精度を持ちますが、還元性雰囲気あるいは金属性ガスではきわめて弱い傾向があります。
     
     2 N熱電対
      ナイクロシル(+)ナイシル(−)と呼ばれ、K熱電対と組成及び特性が非常によく似た熱電対です。K熱電対の改良形でSiの添加量を増し、耐熱性を高めています。又、1000℃以上の高温では、超電力の長期ドリフトがK熱電対の1/2〜1/3であり1250℃でも比較的長時間使用できるといわれています。
     
     3 K熱電対
      工業用として最も多く使用されている熱電対です。起電力曲線はほぼ直線に近く、酸化性雰囲気中での使用は適しますが、還元性雰囲気には極めて弱い傾向があります。
     
     4 E熱電対
      標準化されている熱電対の中で最大の熱起電力をもち、J熱電対より耐蝕性に優れ、真空、不活性ガス、酸化および還元性雰囲気中でも使用できます。
     
     5 J熱電対
      熱起電力が大きく還元性雰囲気には適しますが、酸化性雰囲気中では鉄が異常に早く酸化します。
     
     6 T熱電対
      低温における特性がよいので低温用として使用されます。酸化性、又は還元性雰囲気に適し200℃以下では熱起電力が安定しており高精度が得られます。
     
     7 その他の熱電対                                (JIS規格外)
    種 類 線径
    (m/m)
    常用限度
    (℃)
    最高限度
    (℃)
    摘 要
    白金・ロジウム−白金・ロジウム
    (Pt95Rh5−Pt80Rh20)
    0.5 1,600 1,800 Rに比べ、熱起電力は小さいが過熱使用限度が高い。
    白金・ロジウム−白金・ロジウム
    (Pt80Rh20−Pt60Rh40)
    0.5 1,700 1,900 Pt95Rh5−Pt80Rh20より熱起電力は小さいが、更に過熱使用限度が高い。
    イリジウム−イリジウム・ロジウム
    (Ir−Ir60Rh40)
    0.5 1,800 2,000 不活性雰囲気中で使用可能。Rh系に比べて高温に向くが、機械的にもろく寿命が多少短い。
    タングステン・レニウム−   
        タングステン・レニウム
    (W95Re5−W74Re26)
    0.5 2,500 2,800 高温の水素炉中での測温に使用可能。還元性雰囲気に大変強いが、酸化性雰囲気に弱い。
    金+0.07%鉄−クロメル 0.2 --- -269 極低温での使用に際して、非常に筒便で廉価な温度センサーのひとつです。液体窒素温度以下では使用できない多くの熱電対に比べ極低温では広範囲の温度測定が行えます。